2016年2月25日木曜日

Having child in the US or JP日米における出産・育児環境の違い

以下の論点について書こうと思う。ボストンでの思い出話だ。
ただし、実体験を伴う出産ー幼稚園児までの話。
  • 雑談wwww:  概論も含みます。
  • 出産:現地の医療保険加入は必須という話。
  • 育児:幼稚園高すぎです。でも本来そうあるべきでは?
    • 病院での話
    • 幼稚園
    • 普段の生活
  • まとめ:日本の税制が抱える問題
<雑談>
日本は少子化が問題になっているが、すでに国として諦めたようだ。
移民制度の導入など、このつけは後になって国の借金なんかより、ずっと大きな問題になるだろう。


実は私の子供の一人は二重国籍で、日本人でもあり、アメリカ人でもある。
これはアメリカが出生地主義をとっているためで、日本国には”日本国籍を選択します”と言えば、必ずしもアメリカ国籍を捨てる必要はない。これは国籍選択の報告自体が”努力義務”となるためで、どちらか一方しかとれないグリーンカード取得者とは異なり、二重国籍を保持したままという状態が20歳以降もありうる。(むしろ、国籍を捨てることの方が大変…つまり頑張って捨てようとしましたということ…で、確定申告がうっとうしい。)

話を戻すが、アメリカで働いていた時はドル建て収入で、現地の医療保険に加入していた。
アメリカにおける個人の破産の理由の最大のものが医療費破産だ。
まぁ、保険がカバーしてくれている場合はそれはないが、医療保険自体が恐ろしく高い。

自然分娩で何事もなければ、(保険でカバーされない場合の)費用自体は日本の二倍程度で収まっているのだと思う(当てずっぽう)。ただ、 何かあって保険外で(NICUなどで)新生児が10日程度、集中治療を受けたら、一般庶民は破産するだろう。

あとに書くが、大きい方の子供の救急外来(ERとかではない。ただの救急)ですら、かかった費用は保険がカバーしていたにも関わらず、めんたまが飛び出て、眼科に行こうかと思ったよ。


<出産>

出産がカバーされている現地の保険にかかっていれば、医療費はあまり気にしなくてよい。
いずれ書こうと思うが、計画的な妊娠であれば、Flexible spending accountsなどを上手に使って節税できるし、出産費用自体一切かからなかった。嫁は無痛分娩をしてみたいと言ったので、無痛分娩を主として行う病院を選んだ。ボストンは超一流の病院が集まっている。選びがいがある。子供が連れ去られることを防止するために、アラーム装置連動の発信機が足に巻かれていたのが、アメリカならではだった。出産に関して何か特別な希望はあるか聞かれた。文化・宗教が多様なアメリカでは、様々な考えがあるのだろう。出産直前の説明は、通訳が病院のポリシー上、絶対必要とのことだったが、それ以外は、私が嫁に通訳した。出産は本当の意味での家族の立ち会い出産で、 
  • 私が出てきた子供の頭に手を添え、出てくるのを手伝った(添えてただけだけど)。 
  • へその緒も私が切った
  • 上の子も立ち会った。ものすごく強烈な印象を与えたようだ。おとなしかったからできたのだとは思うが。
  • 胎盤をみたときは、すこしめげた。(胎盤は子供由来でMHC class Iがないらしい。すげー。) 
無痛分娩は日本ではあまり一般的ではないが、妊婦は非常に楽らしい。おすすめ。
入院中に出産後に子供の治療を引き継ぐ小児科医が診に来た。
HMOという保険の制度だったが、実質的に出産関連については、自分たちで病院・医師を決められた。
出産後経過も順調だったので、3日入院後退院!って日本だとありえないが、アメリカでは普通だ。
入院中の食事は私と子供の分も含めて無料だった。
すべてを鑑みると、アメリカで出産とは祝福されるべきものだということだろう。


<育児>

-病院での話 -
上の子をBoston children's hospitalの救急外来に連れて行ったことがある。言わずもがなの、おそらく世界最高峰の子供のためだけの総合病院だ。空いている時間帯だったので自分の車で行った。(Ambulance呼んだら、すごい費用だっただろう…きっと。)病院の前につけたら、そこに停めるなと言われたが、Valet parkingが可能だった。こういう時は本当に助かる。救急外来の受付は二人一組になっていて、事務員とおそらくDoctorと思われた。事務員がパソコンに必要事項を聞いて、入力中(事務員が黙っている間のみ)にDoctorが訊く。事務員が入力を全部終えると、"Time's up"と医師の質問を中断。診療室へと移動した。ここの効率の良さと対応に感動した。専門医が診断。その後治療となった。その後、感動に見合うだけの請求書が来て本当に参った。Flexible spending accountの予定が大幅に狂いすぎ。

-幼稚園の話-
ボストンは家賃が高く、2BRでポスドクの給料の半分が家賃に消えた。築40年程度のボストンではそう古くはない建物だが、それほど良いシロモノではない。その状態で子供をFull timeで幼稚園に通わせると、この家賃と同程度かそれ以上かかる。はいはい、破産破産。というレベルのひどさ。結局在米中は幼稚園にはまともに連れていけなかった。子供には非常に悪いことをした。
でも、これは無闇にぼったくっているわけではない。今後、日本では素人が保育士の代わりを務めるらしいが、ありえないだろ。これの真逆がアメリカのkindergartenだ。アメリカではヘタしたら博士号持ちの保育士が面倒を見る。少なくとも園長クラスは博士号持ちだ。ある意味プロとして当然なのではないかと思うが、どうなのだろう。当然それに見合う費用がかかるというわけだ。私の収入が少ないばかりに家族には苦労をかけたようだ。

-普段の話-
とはいっても、アメリカの一般家庭もそれほど裕福なわけではない。子供をつれて一緒に遊ぶ会や、頻繁にある図書館での催し物などを有効に利用している。日本人の会もあった。あと、私は週末はChildren's museum(写真は入り口。三階までの高さがあるが、安全面への配慮が素晴らしい。子どものお気に入りの一つ)をよく使った。パスポートが実質コスト0になるぐらい毎週行った気がする。
弁当持ちで。当然、博物館ではない。子供が遊ぶための場所だ。帰り道は絶対子供が爆睡していた。

経済的な話をすると、日本のなんたら手当のような馬鹿げたバラマキ(最悪、母親のパチンコ代)は存在しない。税金の控除と、WIC(Women, Infants and Children (WIC) Nutrition)とよばれる食料現物支給に近いシステム(Foodstampとは異なる)があるだけ。専門の栄養士が医療データを元に判断し、必要な栄養を摂らせるように、食料を選ぶ。日本は見習うべきだろう。
また、子供が泣き叫んでいても、日本みたいにうるさそうにする大人はいない。
歩いてるだけで、可愛いと言ってくれるし、ベビーカーのバスへの乗せおろしなどは率先して手伝ってくれる。


<まとめ>

まとめると、医療費(保険)と教育にかける費用が十分であれば、アメリカのほうが子供を育てやすい。親(自分たち)がアメリカ人であれば、税金の控除はさらに大きかった。そう考えると、少子化が進んでいる日本よりもアメリカのほうが子供を育てる環境としては充実しているということだろう。高校の無料化などもアメリカのほうが先行していた。
もちろん、私はボストンしか知らないので、他の街だと違うのかもしれないが。

税金についても書こうと思ったのだが、次回にする


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